仙道三十三観音巡り 第七番札所を訪ねて(20155

 

第七番 (龍頭山堂山寺 真言宗)堂山王子神社 準胝観世音菩薩

     福島県田村市船引町門沢字堂山

 

 国道349号と県道300号(磐城街道)との三叉路から細い道を西へ約1㎞入ったところにある。三叉路には「堂山王子神社」との案内板がある。

 少し坂を登った右側に神社がある。道路を挟んで左側に駐車スペース。

車を降りたとき通りかかった地元の女性に尋ねると、ここが目当ての観音堂であること、11月には神社のお祭りがあること、それとは別に今でも堂内で唄いながら大きな数珠をまわす集まりがあること、駐車場のすぐ向こうにつつじのきれいな庭があることなどを教えていただいた。

 神社入り口に船引町観光協会の案内板がある。堂山王子神社は坂上田村麻呂の創建と言われ、大同2(807)年戦勝の御礼に建立したのが堂山寺観音堂との伝説があり、明治3年堂山王子神社と改称し現在に至る、とある。

 石段の左側に「仙道三十三観音 第七番札所」との地元金融機関(郡山信金)が建てた石柱がある。右側には梵鐘があり、山門(?)には仁王様がいてかつて寺であったことが分かる。

 石段を上がりきると広い境内に立派な本殿がある。本殿の扉の上に「観世音」との額がある。

 境内右手に田村市教育委員会の案内板があり、「国指定重要文化財堂山王子神社本殿は室町時代の創建、もとは堂山寺の観音堂だったが廃仏毀釈で現在の名称になった。付近住民の本堂に対する親しみと愛着があって古よりの貴重な文化財を守り伝えてきた歴史を支えている」とある。

 境内の裏手に奥ノ院が祀られている。
 

 ということで堂山寺は廃寺になっている。しかし観音様への信仰は神社になっても生きている。廃仏毀釈という中央からの政治的動きがあり大きな影響をもたらしたが、地域の住民は折り合いをつけて観音様を守ってきたのだろうと推察する。

 堂の前で手を合わせる。

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